海鮮は鮮度だけではなく熟成が大事というポリシーを持っている。

食材そのものが重要視される海鮮料理全般が美味い。県外在住のリピーターも多く、土佐弁を筆頭に様々な方言が飛び交うことも!


海鮮は鮮度だけではなく熟成が大事というポリシーを持っている。
食材そのものが重要視される海鮮料理全般が美味い。県外在住のリピーターも多く、土佐弁を筆頭に様々な方言が飛び交うことも!
高知市きっての繁華街・帯屋町と追手筋の間にある「海鮮居酒屋 龍馬屋」。魚にうるさい高知県民も思わず唸る海鮮料理が人気の同店に「とにかく”魚”に対する想いが熱い店主がいる」という噂を聞きつけ、早速取材に向かった。
龍馬屋です~
取材協力のお願いでご連絡したのですが、いまお電話構いませんか?
今から仕込みやきね~、明日もう少し早い時間にかけてもらってかまん?
忙しい時にすみません~!!!また明日掛け直しますね!
はいよ〜!ありがとう~!
(ここが、龍馬屋さんか〜取材楽しみだな…。ってあら!大将がいる!)
す、すみません!龍馬屋さんの大将でしょうか?
おお!そうで!(と、言いながらなぜか逃げる店主)
あの、昨日、取材協力のお願いで連絡させてもらったものです~!(と、言いながら追うスタッフ)
(ほんの数メートル、ミニ鬼ごっこをしました)
(ゼェ、ゼェ…)あ、改めて、取材のお願いなのですが・・実は、「龍馬屋」の大将が魚に対してめちゃめちゃ熱いという噂を聞いて、その真意を確かめ…
あっちあちで!!!
(すっごい食い気味!)
取材はかまんよ!いつくる?早いほうがいいろ?
ありがとうございます~!
こんにちは~。今日はよろしくお願いします!
こちらこそ~! お嬢ちゃんには昨日あげたけど、お兄ちゃんにも一枚やるわ!
(スッとカメラマンに差し出す)
この金の名刺はね、自動的サービス名刺やきね!お客さんがこれを見せてくれたら、色によって私が勝手にサービスしてる(笑)
(お店の照明の下で見ると、さらにキンキラ!)
やっぱりサービスもらったら、嬉しいやか! 喜んでる姿をみると私も嬉しくなるがよ。
(ユニークな大将に緊張の糸が緩んだのは、言うまでもない)
魚というのは、ただ新しければえいというものじゃない。1kgぐらいまでの魚は、その日釣って、その日食べて、明くる日は焼く、さらに次の日は煮るとかになるけど、魚体が3kg以上の大きさになってくると“熟成”が非常に大事ぜよ。
そうなんですね…!(魚のことになると、急に真剣な表情になる大将かっこいい!)
釣ったばっかりだと、旨味成分が出て来にくい。ちょっと熟成させると、鮮度と旨味のバランスが良くなってきて、身も柔らかくなって美味しくなる。これが魚の目利きというものよ。
必ずしも鮮度が一番というわけではないんですね。それから、もう一つ噂があって、カツオを切ってみて納得できなければーー
バケツにポンよ!
そもそも、いい魚がなければ、お店を開けないという噂も聞きましたが、これってホンーー
ホントホント! その通り! えいと思って仕入れても、切っていかんかったら、暖簾も入れて電気も消す。
今年はあんまりないけど、例年やったら、10月頃に脂がのった一番えいカツオを捌いて、マイナス65度で瞬間凍結させておいておくがよ。高知県は、年中県外から観光客が来てくれるのに、カツオがなかったらいかんろ~。
確かに、カツオを筆頭に高知の食を楽しみに旅行に来られる方が多いですよね!
そうそう! ほんで脂ののった美味いカツオを冷凍して、いつでも出せるようにしてる。けんど、解凍するのにドリップが出てきてね… これが出ると美味しくなくなる。だから、なるだけ出ないようにね、解凍機を開発したがよ!
そう、北里研究所の白金キャンパス、相模原キャンパスと協力してね。解凍した時に、95%はドリップがない状態、かつ、身の質にしっかり弾力がある。
(こちらが、宮尾さんと学校法人北里研究所が開発した解凍機)
(思ったより小さい…!)
お店に置けるくらいの電子レンジサイズながよ。普通は流水で解凍するけんど、これは一切、水にふれず、振動と電子で解凍していく。この振動数が特許を取っていて、世界の人が心地よく耳にする振動数にしたら、ドンピシャ! ドリップがほとんどない状態で解凍ができるようになって、美味しいカツオが提供できる。
………大将、すごすぎます!!! 研究はいつからスタートしたんですか?
30年前くらいやね~。高知県はあまりにも鮮魚に恵まれすぎて、食材の冷凍に対する技術も知識もなかった。生の魚がたっくさんあるき、困らんかったがよ。けど、いつしか漁獲量が足りんなって、困ってきた。だから、これからの時代は冷凍と解凍が必要だと考えて、取り掛かったがよ。それに、この解凍機によって、高知県に大きな工場ができたら、雇用の確保にも繋がる。経済的に困っている人や、ひとりで子どもを育てている親御さんたちの手助けになる場所を作るぜよ!
カツオの未来はもちろん、高知の未来までも背負って奮闘し続ける宮尾さんの生き様にシビれる…ぜよ!!!
- 終 -
お話好きで陽気な大将ですが、実はとっても理系で博学!思わず引き込まれるような話し方で、ついつい長居しちゃいました。こちらでは、紹介しきれなかったお話を一部ご紹介!
★金の名刺以外にも、銀やパールの名刺もあるそうですよ!
★現在、高知市追手筋にある「龍馬屋」ですが、創業時から15年は桟橋、その後、夜須町で15年営業し、今の場所で22年目になるそうです。どこにいっても愛されるのは、大将の人柄あってこそ!
★大将が1人で営業していた時代もあったそう。その時は、お客さんがお運びさんになり、ドリンクもセルフサービス。大将いわく、「宴会も勝手にシンドバッド」だそうです。
★解凍機以外にも、宮尾さんの発明品はたくさん! 紹介しきれなかった発明品に関しては、ぜひお店で聞いてみてください。あなたもきっと「宮尾ワールド」の虜!
住 所 | : | 高知県高知市追手筋1-9-31GoogleMap |
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電 話 | : | 088-802-3858 |
営業時間 | : | 18:00~LAST ※仕入れ状況により早めに閉店・休業する場合あり |
定休日 | : | 日曜~火曜 |
駐車場 | : | 無し |
「カツオは切ってみて納得できなければ、客に出せない!」「良いものが無いとお店を開けられない」と、話す大将の言葉から食材に対する熱い想いが伝わってくる!