火振り漁
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雄大な風景が広がるまちで、川とともに生きる人に出会う

 川を下るにつれて、四万十川の水量が少しずつ増えていきます。流れもゆったりした感じになってきました。やがて、愛媛県側から旅してきた支流、広見川が合流。水量はさらに増えて、四万十川はいよいよ大河の風格を備えようとしています。

 広見川と合流するあたりに広がる地区が、リゾートホテルやカヌーの拠点施設などがある江川崎です。ここで、いかにも四万十らしい施設に立ち寄りました。四万十川西部漁協が直営する西土佐鮎市場。清流の幸が集まる作業場兼直販所です。「春から秋まで、いろんなもんが獲れらあよ」と店長の林大介さんが顔をほころばせます。

 四万十の幸のなかでも、特に人気の高いウナギの漁について、林さんに聞きました。このあたりで川漁がはじまるのは5月頃とのこと。「はじめはハヤをエサにしてはえ縄を仕掛けらあね。6、7月になると大きなミミズが獲れるけん、それをエサにして、竹で編んだコロバシいう筒や、箱ウエいう専門の漁具で獲る。もっと暑うなったら、ミミズが土の深いところに潜っておらん(いなく)なるけん、川エビをエサにするんよ」

 ウナギのほか、5月15日から川エビ、6月からアユ、8月からツガニ(モクズガニ)が獲れるようになります。「どれも昔ながらの漁やねえ。時代が新しゅうなったからいうて、変わったところはない。やることは全く一緒」と林さんは陽気に笑います。

四万十・川の駅 カヌー館

四万十・川の駅 カヌー館

四万十川中流域にあるカヌー館は総合観光施設として、カヌーツーリング(川下り)、ボート、屋形船遊覧などが楽しめます。キャンプ場内にはバンガローもあり、宿泊することもできます。

西土佐鮎市場

西土佐鮎市場

四万十川西部漁協直営。四万十産の天然ものだけを扱います。仕入れと卸が主ですが、観光客が立ち寄って、アユなどを購入することもできます。

レンタサイクル

レンタサイクル

四万十川の駅カヌー館ではレンタサイクルを準備しています。カヌー館の近くには温泉もあり、四万十川を眺めながら、ちょっとしたサイクリングを楽しむことができます。

林大介さん
林大介さん

プロフィール

沈下橋のある集落の生まれ。鮎市場で20年以上勤務し、四万十の幸のことなら何でも知っている。「ここ(旧西土佐村)と十和(旧十和村)は隣同士じゃけんど、ツガニの食べ方が違う。おもしろいもんやねえ」