お客さんが入ってからは、「たくさん食べて行ってよ」「このお寿司は今の時期しか食べれんきね」と全てのテーブルに声をかけている。

料理の作り方を聞かれたら、惜しみもなく丁寧な説明付きのレシピを渡す。

月に1回の開催とはいえ、美味しいお寿司や料理を提供するための熱意が熱々すぎて、行くと必ずお腹いっぱい!お母さんたちから元気もいっぱいもらえる大好きな場所です。


お客さんが入ってからは、「たくさん食べて行ってよ」「このお寿司は今の時期しか食べれんきね」と全てのテーブルに声をかけている。
料理の作り方を聞かれたら、惜しみもなく丁寧な説明付きのレシピを渡す。
月に1回の開催とはいえ、美味しいお寿司や料理を提供するための熱意が熱々すぎて、行くと必ずお腹いっぱい!お母さんたちから元気もいっぱいもらえる大好きな場所です。
南国市の道の駅・風良里にて、月に一回レストランの定休日に、地元の女性グループが主催となって開催しているランチバイキング「まほろば畑」。ここでは野菜をたくさん使った手作りのお料理が次から次へと出てくるため、バイキング終了間際になってもお皿が空っぽになることがないともっぱらの噂。噂の真相と、美味しそうな料理に釣られて、いざ、「まほろば畑」へ潜入!
(受付は1階のエントランス…おぉ、お料理を並べるところを撮ろうと思って早めにきたのに、もうお客さんが待ってる)すみません、電話で取材のお願いをしたーー
お伺いしています!どうぞ2階へ!お食事もしていきますよね?お席も用意しています。
ありがとうございます!グループ代表の隅田さん、いらっしゃいますか?
いますけど、今はバタバタしているので、合間見て出てくるように言いますね!
あの…すみまーー
(厨房から「もう時間になるでー!」「まだ出てない料理がある!」「早う早う!」)
どうもどうも、取材かねぇ?今から料理が全部出てくるから先に写真撮ったりする?ほんでスタート時間になったらお食事しよってねぇ。合間にテーブルに行くようにするきねー!
ありがとうございます!
(カウンターとテーブルにお料理が次々と並び始める)
(すごいー!めっちゃ出てくる!)
この日の料理は、ナスのたたき・筍の土佐煮・山菜おこわ・鶏の唐揚げ・こんにゃくとごぼうのピリ辛炒め・五目寿司・ほうれん草の白和・ブリのあら炊き・ポテトサラダ・りゅうきゅうときゅうりの酢の物・金時豆・野菜のかき揚げ・野菜サラダ・文旦ゼリー・フルーツきんとん・豚汁・ご飯・漬物と、全18種類。
(写真も撮ったし、厨房も忙しそうやし、よし、食べよう!)
全種類をお皿に持って、いただきますー!(どれから食べるかめっちゃ迷うー)
入れ替わり立ち替わり料理を取りにくるお客さん、みんなが時間いっぱいテーブルとカウンターを往復する横を、新しい料理が乗ったお皿を持ったお母さんたちが厨房から延々と出てきていました。
忙しそう、声かけるタイミングどうしようかな、と思いながら食べ進める川﨑の元へ
ごめーん!忙しすぎて今日は取材無理やー!私も今から追加の買い出しに出るき、また別の日にお話しようか。
(え!!!!!!!!!)で、ではまた明日以降にお電話します!」(なんか普通に食事しに来ただけみたいになってしまったけど、野菜がいっぱいで美味しかったー!)
(袋にパンパンに入ったキュウリを抱えた隅田さんが登場!)
おはようございます!今日はわざわざお時間をいただいてありがとうございます!
おはようございますー!あんた、キュウリ好き?食べる?大根もある!
ありがーー
これ、車に乗せちょき!私の知り合いが作りよって、採れたて!
(キュウリを車に乗せて、店内へ)
この間は、いっぱい食べれた?
はい!お腹いっぱいで帰りました!今回は、食と人にまつわる熱々エピソードの中で、「まほろば畑」さんのバイキングについて、ぜひお話が聞けたらなと思いまして
ありがとう、嬉しいねぇ。1回目をやったのは2010年。当時、いろんな役職を請け負っている中で、ちょうど四万十町十和のおかみさん市に視察に行く機会があって、私らもやってみたいねぇっていう話になってスタートしたが。私が取りまとめをする会長になって、5つのグループが毎週持ち回りでお料理を提供しようって
最初は毎週開催していたんですね!
今は、私たちのグループだけで月に一回になってしもうたけどね。バイキングの名前でもある「まほろば畑」は一般公募の中からみんなで選んだがよ。海があって、里があって、川もある南国市が豊かな土地ということと、テーブルに並んだ料理を野菜がいっぱいの畑に見立てて、それくらい野菜がどっさり並ぶバイキングをイメージして付けてくれたがやって!
由来にセンスを感じますね!
でもね、私らは最初バイキングを甘くみちょった。見通しが全然立ってないまま初日を迎えて、料理がすっとなくなって、追加の材料を買いに何往復もしたし、会場は2階やろー?そしたら下で待ってくれゆうお客さんが何人おるかも把握できん。お客さんの滞在時間もバラバラ。まぁパニックになった!
時間が決まってなかったんですね…
スタートから半年は毎回アンケートを取って、営業形態を何回も見直して、入替え制度を導入したがよ。やっぱり来てくれたお客さんにはみんなに食べてもらいたいきねぇ
追加で食材を買いに行ったりするんですね!
そうよ、最初にバイキングをやろうって決めて、みんなで研修を受けに行った時に、欠品は絶対ダメっていうのを習ってね、その言葉は徹底して守りゆう
それが今回寄せられたエピソードにもつながってくるんですね
せっかく行ったのに、あれがなかったとか、もっと食べたかったってがっかりされたら残念やきねぇ
ありがたいお気遣いですね。お料理は、すごいいっぱいありましたけど…何種類くらい出してるんですか?
だいたい17、18種類かな。開催の2週間前にはメニューを決定して、南国市役所に提出してホームページに載せてもらいゆう。
毎回、そんなに考えるの迷いませんか?
そう、だから、ご飯、汁物、揚げ物、和え物とかっていう項目を作っておいて、バランスよくメニューが並ぶように当てはめながら考えゆう!
特におすすめはなんですか?
ナスのたたきは開催当初から絶対に出そうと決めていて、5つのグループで開催しゆうときは、それぞれのオリジナルを出しよったよ。私らのグループは、アジの干物を焼いてほぐしたのを乗せた上に、十和のおかみさん市の椎茸のたたきのタレを習って、そのタレをずっと使わせてもらいゆう。ナスのたたきは一番人気やね、みんな楽しみにしてくれちゅう
先日のバイキングでもたくさんありましたよね!
このバイキングのために各自自分の畑でナスを10本ずつとか植えて、安芸のナスが時期外れになったときは、自分らの作ったナスでタタキをするしねぇ。ほうれん草とか水菜とかも買わんでいいように作ってくれるメンバーもおるし
ナスも含めて、仕込みに時間がかかりそうですが、みなさん何時から仕込みをされているんですか?
バイキングの日の前日16時ごろに厨房へ買い出しした食材を搬入するでしょ~。そこからまず取るのは出汁!そこからまぁ0時には帰れたらいいねぇって話しながら仕込みするかな
夜中の0時…!
手間のかかる料理のときは1時回ることもある。ほんで当日は5時に起きて、6時半にはお店に集合しゆう
すごい手間暇かけて作ってるんですね!
もちろん前日だけじゃなく、普段の日も色々準備をするよ。全部お金出して買いよったら大ごとやきね。例えば、この間のバイキングには筍の土佐煮があったろ?あれもメンバーの弟さんと山に取りに行くが。あとは、イタドリとかも。みんなで皮はいで処理してバイキングに出すがよ
皮はぐのすごい手間かかりますよね…!ほかにも、野菜とかを持ち寄ったり?
そう。各自で持ち寄って、野菜にお金がかからん分を鶏肉、魚、あと昆布とか、油に使いゆう
そうやって工夫もしているんですね。もう12年もやっていたら顔馴染みの人も多いんじゃないですか?
おるおる!初回から欠かさず来てくれる男性のお客さんはもう毎回来るって決めてくれて、数回先まで予約が入っちゅう。高知市内から自転車で来てくれる人もおるしねぇ
お客さんの熱意もすごいですね!お客さんから言われて嬉しかったこととかありますか?
バイキングを楽しみに来てくれるだけで嬉しいけど、お料理をしゆう人から「ここの料理は、出汁がちゃんときいてる」って言われたときはすごい嬉しかった
私たちの料理の基本は全部出汁。弘化台で買い付ける昆布、アジジャコ、鰹節を使って、寸胴鍋で出汁をとることから仕込みを始めるがやけど、味噌汁も煮物も料理の基本は出汁を大事にしゆうがよ。だからそこを分かってくれる声が聞けると本当に嬉しい!
なにからなにまでこの月一回に全力投球なんですね~!熱意がすごい!
誰か1人でも不満があれば12年も続けてこれんかったと思う。みんなが同じ考えで、誰1人やめたいっていう人がおらんかったから続けてこれた。みんながお客さんの喜ぶ顔が見たいと思ってくれることと、誰もバイキングの収入を生活のあてにせずに、それぞれが儲けじゃなくてやろうっていう気持ちが一緒やきね
その思いがきっとお客さんにも伝わっていると思います!だから、毎回大盛況なんですね!
これからも常連さんを大切に、一年一年様子を見ながら、体とも相談しながら続けていきたい。私らの料理には派手さはないけど、インスタントじゃない手作りの良さを大事にしちゅうきね。ちゃんと出汁をとる、手抜きはせん、当たり前のことを当たり前にすることが一番大事!
ステキです!また、食べに行きます!
それやったら、10月の周年祭においで!その日しか出さん、四方竹の一口寿司…美味しいで。
- 終 -
★余った料理は、最後パック詰めして販売することもあるそうです!
★「これどうやって作るの?」の声にも快く引き受けてくれるお母さんたち。受付には自由に持って帰れるレシピが置いてあり、「必要があれば作った人が厨房から出て行って教えるよ!すし飯の酢の合わせ方とかもね」と隅田さん。
秋が旬の四方竹を使った一口寿司を、バイキング形式で提供するために、農家のお母さんたち(平均年齢70歳くらい?)の熱意がすごい。