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祖父と父の店を復活させたい 肉処 一福

08/15 UP

オーナー 中川 篤さん なかがわ あつし

2019年5月1日に再オープンした『肉処 一福』。オーナーで店長の中川篤さんが祖父と父の店を復活させたいと再び暖簾を掲げたお店です。まだトラックが普及してない時代、大阪へ荷渡しをしていた祖父は船が燃えてしまったことをきっかけに当時流行っていたホルモン屋を始めます。飲食に関して勉強をしていたわけではなかった祖父は、お客さんから「この味じゃ他のお店に勝てないよ」と言われ、試行錯誤して完成させたホルモンに合うタレ。一福の名物となり、お店は順調に続いて篤さんの父がお店を継ぎました。

「小学生の頃はお客さんの子どもと遊んだり皿洗いを手伝ったりしながら、ひたすら仕事をする父の姿を見てきました。学校のノートに、子どもながらに考えたお店の新メニューを書いたりして、当たり前に、大人になったら祖父と父のお店を継ぎたいと思っていました」。そんな篤さんが父から店を畳むと聞いたのは、進学のために大阪へ行く直前でした。当時、日本でも狂牛病が流行り始め、焼肉業界全体が厳しい状況ではありましたが、どんな形でも“祖父と父のお店を継ぎたい”という気持ちは変わりませんでした。「いつか定年した後でもいいから、高知に帰ってお店を再開できたらいいな、と一度は大阪で就職しましたが、どうしてなのか就職した会社は次から次へと倒産してしまって。30歳手前で働いていた会社も無くなった時、お店を再開させたいという想いが強くなって、今やってしまえ!と思いました」。思い立ったら即行動。開業資金を貯めるために仕事を3つ掛け持ちして倉庫で寝泊まりする日もありました。

無事お店を復活させて今年で5年目。最初は一人でお店ができたら十分だと思っていましたが、お客さんが増えて人が雇えるほど順調に続いています。「始めた頃は“少しでも安く”と思って提供していましたが、今は“より良いお肉を他の焼肉店と同じ価格帯で提供すること”を大切にしています。父から時代に合わせて変えていけばいいと助言をもらい、タレもアレンジしてみたり、新しいことに取り組みながらお店を続けています。家族が増え、社員も雇えるようになりました。新たな家族とお店で働いてくれている社員の生活を支えられるよう、祖父と父の店を守り続けていきたいです」。

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熱々ポイント 祖父の代から続くタレと
自分流のタレ
現在、提供するタレは2種類。お店を再開した時はタレはほとんど変えていませんでした。2代目である父から「自分の思うように変えたらいい、好きにやりや」と言われ新しいタレを研究。元々ホルモンに合うタレなので、りんごや玉ねぎを入れて甘みを強めることで赤身を含めた全般のお肉に合うようにアレンジしています。
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熱々ポイント 創作の一品料理
少し変わったお肉の食べ方も提案しています。お肉と合う食材を聞いて自分で研究してみたり、お寿司のトロタクというメニューからアイディアをもらってサーロインロースとタクアンを海苔で巻いてみると美味しかったのでメニューにしました。創作の一品料理は3代目として新たに始めた試みで、お客さんからも好評です。
肉処 一福
住 所 高知市桟橋通1-7-3GoogleMap
電 話 090-5278-0290
営業時間 18:00~24:00
定休日 不定休