観光博覧会「牧野博士の新休日」は終了しました。
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【高知市立自由民権記念館】「牧野富太郎と土佐の自由民権」開催中!(~12/3まで)


在野の精神は土佐の山間より。牧野青年と自由民権運動にせまる「高知市立自由民権記念館」

世界的な植物学者・牧野富太郎のふるさとであり、「自由民権運動発祥の地」としても知られている高知県。
牧野博士は、高知から巻き起こった自由民権運動に参加していたそうです。

偉大な植物学者は激動の時代の土佐をどう過ごしたのか?自由民権運動との関りをもっと深く知りたい!!
と、訪れたのは「高知市立自由民権記念館」。


「牧野富太郎と土佐の自由民権」と題する企画展が前期(5月20日~8月31日)と後期(9月2日~12月3日)にかけて開催されています。


牧野博士の回想とともに、当時の貴重な資料がずらりと並ぶ展示室。


ふるさとの佐川町、高知で過ごした幼少期から青年期の足跡を辿りながら、若かりし牧野博士と自由民権運動との関りがわかりやすく展示されています。


青年時代の自由民権運動がもたらした、在野・平等・反骨の精神

「文教の町」として数々の著名人を生み出したことで名高い佐川町。
郷校・名教館で当時先進的だった西洋の知識に触れ、牧野青年は学問に目覚めます。

本来であれば士族の子息しか通うことが許されなかった名教館ですが、明治維新が起こり学制によって旧来の教育制度が廃止されたことで、町民である牧野青年も通うことができたのだそう。
もし明治維新が起こっていなかったら――。
牧野青年の学問に対する探究心が開花することは、無かったのかもしれません。

その後、牧野青年は地元佐川町で自由民権運動に参加します。
記録に残っているだけでも3回、牧野青年は演説を行い、時には警察とやり合うこともあるほど、血気盛んに活動していたようです。


自由民権運動が、牧野青年に及ぼした影響とは?
館長の筒井秀一さんにお話を伺うことができました。


「かつての自由民権運動で触れた在野精神が、その後の植物探究における牧野博士の平等精神や反骨精神を養ったのではないか」
と筒井さんは語ります。
ドラマでは、「名もなき草らあ、この世にないき。」というセリフがありましたが、実際の牧野博士も「雑草という草はない」と語っていたといいます。
この言葉の背景には、民衆の自由と平等の実現を目指す自由民権運動の志とのつながりがあるようにも見て取れますね。


当時の出来事をリアルに伝え、標本づくりにも役立つ「アレ」とは……?

当時を回想する牧野博士の言葉と、展示資料の数々から、自由民権運動の活気と博士の人柄を感じることができる今回の企画展。
その中でも特に興味深い資料が「新聞紙」。


当時、植物標本をつくる際に、植物の水分をとるために新聞紙を使用していたそう。


戦争や災害で多くの新聞紙が失われてしまったなか、標本とともに保管された新聞紙は、当時の歴史をリアルに伝える貴重な資料でもあります。

その他にも色鮮やかな錦絵や牧野博士直筆の書簡なども見ることができ、とても充実した展示となっています。


ドラマに登場した「民権ばあさん」にも会える!

自由民権記念館の常設展では、日本で最初の民主主義運動である自由民権運動の歴史を、当時の資料を織り交ぜながらわかりやすく解説しています。
そのなかで特に目を引くのが、「民権ばあさん」というワード。


ドラマにも登場した「民権ばあさん」は、楠瀬喜多さんという実在の人物をモデルにしています。
女性として日本で初めて参政権を訴えたとされる民権ばあさんには、パワフルなエピソードが多数。
現代においても色あせることのないその姿に、元気をもらいました♪


歴史を知れば、よりリアルな牧野博士の姿が見えてくる

ドラマの放映をきっかけに牧野富太郎博士に興味を持ったという方も多いのではないでしょうか。


博士が命名した植物や研究の数々はもちろん、牧野富太郎という人物が生まれ育った土佐の歴史を紐解けば、博士のよりリアルな姿を垣間見ることができるはず。
「土佐の歴史」という視点からも、牧野博士にせまってみてはいかがでしょうか。


<牧野富太郎と土佐の自由民権 開催概要>
期 間:【前期】2023年5月20日(土)~8月31日(木)
    【後期】2023年9月2日(土)~12月3日(日)
     午前9時30分~午後5時(最終入館:午後4時30分)
会 場:高知市立自由民権記念館 2階 特別展示室
休館日:毎週月曜日(祝日の場合は翌日)、祝日の翌日
観覧料:320円(常設展示含む)、65歳以上、高校生以下は無料
問合せ:TEL088-831-3336
URL:https://www.i-minken.jp
アクセス:JR高知駅より南へ3キロ、路面電車・バスで約15分
     路面電車…桟橋車庫前(自由民権記念館前)下車
     バス…桟橋通4丁目下車
     駐車場あり

イベント・展示 2023/06/06更新