高知県の北東部にあり、
緑豊かな風土に囲まれた香美市。
海に面してはいませんが、
この町ならではの自然、
歴史、文化、食があふれています。
そんな香美市で出会うことができる、
あなたの知らない高知を
有澤さんがご案内します。
自然との距離がとても近くて、
誇れる歴史や食のあるエリアです。
まずは自己紹介をお願いします!
アリサワ酒造で、専務取締役を務めている有澤です。搾りたてのみずみずしさにこだわった「文佳人」という銘柄の日本酒を造っています。
私が暮らす香美市は高知県内の市で唯一、海に面していないエリアですが、街中からすぐの距離に美しい自然があり、思い立ったらいつでも癒されることができる便利な場所なんです。
そして、すごい歴史があるのに誰も知らないようなスポット、地元民から熱烈に愛される名店も揃い踏み。今回は、香美市ならではの自然と歴史、食を満喫できる“ツウ”なスポットをご案内します!
3段の滝つぼが間近に!
轟の滝は、とにかく壮大です。
有澤さんは轟の滝のどんなところが好きなんですか?
県の指定文化財や日本の滝100選にも選ばれている轟の滝は、落差82mというスケール感と3段になった滝つぼが本当にスゴイんです。今日は前日に降った雨の影響でかなり増水していて、迫力が一段とアップしていますね。
いつもはもう少し穏やかで水墨画のような風情もありますが、今日のこの景色もまた自然の壮大さを感じられて貴重かもしれません。滝と岩と森と空のコントラストも美しく、ずっと眺めていられるので、ここに来るととてもリフレッシュできます。
轟の滝でのおすすめの過ごし方はありますか?
滝つぼのすぐ近くまで降りて行けるので、ぜひ岩場に座ってお弁当を食べてください!上から流れ落ちてくる景色を眺めながら食べるお弁当は、また格別ですよ。道中にある「アンパンマンミュージアム」の前に産直市場があり、観光客の方はそこでお弁当を買うのがおすすめです。
さくらベーカリーには、
こだわりの珍しいパンがいっぱい。
有澤さんがさくらベーカリーをおすすめする理由は?
国産小麦100%&天然酵母で作られていて、オーガニックな食材を使われているのが「さくらベーカリー」さんならでは。おいしいのはもちろんですが、安心して味わえるのも魅力なんです。
私が大好きなのは、焼きドーナッツ(162円)とペカンパイ(216円)。焼きドーナッツは揚げずに焼いているからとてもヘルシーで、軽いデニッシュのような味わい。ペカンパイはピーカンナッツがたっぷり入っていて、香ばしさと食感がたまらなくおいしいんです!主人はチョコ系、子供はチーズ系やメロンパンが大好きで、来る度についつい買いすぎてしまいますね。
アリサワ酒造さんの酒粕を使った商品もあると聞きました。
土佐酒粕パン(432円)です。酒粕を使って何かを作りたかった私たちと、飲食店を営む主人の弟がオリジナルパンの製造を考えていたので、「さくらベーカリー」さんにお願いして実現しました。普通の食パンよりも甘みがあり、焼き上がりはチーズのような風味も楽しめます。地元でも人気なので、ぜひ味わってくださいね。
どこよりも手間ひまかける、
アリサワ酒造の日本酒を。
アリサワ酒造ではどんな日本酒を造られているんですか?
「文佳人」という銘柄で、大吟醸から季節限定のものまでさまざまな日本酒を造っています。一般的には1日かけてもろみを搾りますが、私たちは昔ながらの酒槽(さかふね)で3日間かけてじっくり搾り、雑味のない味わいを追求しています。加熱方法もタンク火入れではなく瓶に詰めたもので行うので、最小時間で火入れでき、その後は一気に冷ますことができるんです。また、-5℃で保管しているのもポイント。手間ひまはすごくかかりますが、その分、いつでも搾りたてのみずみずしさと清涼感のある味を楽しんでいただけます。
数ある「文佳人」の中で、有澤さんが特に好きなものは?
まずは、全国新酒鑑評会で金賞を受賞した大吟醸原酒ですね。華やかな香りときゅっと締まった味わい、そして、スッキリとした喉越しが特長です。次は、純米吟醸 雄町。最古の原生種である雄町を使い、濃醇で完熟フルーツのような飲み心地でついつい杯が進んでしまいます。最後は、リズール純米吟醸。フルーティーな香りで、酸味のある白ワインのような口当たりなので、日本酒初心者の方にもおすすめですね。
アリサワ酒造の日本酒はどこで買えるんですか?
酒蔵では販売をしていないので、すぐ近所にある酒屋の「富士屋」さん、私が行きつけの飲食店「とさのひるね」を経営されている「山崎酒店」さんなどで購入できます。他にも全国各地に卸しているので、お問い合わせしてもらえればお近くのお店をご紹介させてもらいます!5代目の主人と二人三脚で造っているため酒蔵見学もできませんが、丹精込めた日本酒が揃っているので、ぜひ味わってもらえるとうれしいです。
野中神社は、「文佳人」の
名前の由来になった場所。
有澤さんが野中神社に惹かれている理由は?
野中神社は、高知人なら誰でも知っている野中兼山を祀っています。それだけでも高知県民にゆかりのある場所ですが、実はここを建立した兼山の娘であるおえんさんをイメージして名付けられたのが、私たちの日本酒「文佳人」なんです。
おえんさんは40年に渡って幽閉されていましたが、心折れることなく勉学に励み、放免となった後は多くの女性の力になったと言われています。その勤勉さや芯の強さを想い、教養のある美人であることから、アリサワ酒造の2代目が「文佳人」と名付けたとそうです。だから、私にとってはとても縁のある場所で、たまに来てのんびりしながら読書をしたりしています。
とても静かで、厳かな雰囲気のある場所ですね。
風の通りも良くて、木々を抜けて入ってくる雰囲気もどことなくオーラを感じます。意外と広いですし、地元の人にもあまり知られていない場所なので、気持ちを整えるのにはぴったりの場所だと思いますね。
高知の地酒を堪能するなら、
山崎さんのいる「とさのひるね」で。
有澤さんが一押しする、「とさのひるね」の名物は?
店主の山崎さんが作る家庭的な大皿料理ですね。カウンターにずらりと並び、いつもどれを食べるか悩んでしまう、そんな楽しみも醍醐味のひとつです。それと、やっぱり日本酒。山崎さんは定期的に蔵元さんへ出向いているので、品揃えの豊富さだけでなく、知識量や情報が本当にすごくて、いつも勉強させてもらっています。
山崎さんとはいつもどんなお話をしているんですか?
基本的には日本酒のことばかりですね。新酒の時期には必ず「文佳人」の味の感想をもらいますし、山崎さんおすすめの銘柄を味わって、自分たちのおいしさのレベルはどの辺りかを確認したり。お酒造りでこもりがちなので、ここに来た時は情報交換しながら、大好きな高知の地酒を堪能しています。
それと、エピソードを一つ。実はこのお店は、山崎さんが全て一人で手作りして建てたんです。スゴイと思いません?そうした職人気質なところも大好きな理由の一つなので、香美市で日本酒を味わうならぜひ「とさのひるね」さんに来てもらいたいと思います。「文佳人」もありますし、日本酒好きの方は大満足できるお酒と料理と、トークが待っています!
魅力的な自然や歴史、
おいしいお酒を
楽しんでください!
これから高知県を旅する方々に一言お願いします!
高知県香美市には、魅力的な自然と歴史にまつわるものがあります。おいしいものも、たくさんあります!もちろん、おいしいお酒も!皆さん、遊びに来てください!