高知県高知市は、
全国に誇る人気の観光名所がたくさん集う
旅のスタート地点。
そんなエリアに点在する
知る人ぞ知るスポットから、
まだまだ知られていない場所まで、
高知市の新たな魅力を
森木さんと共に再発見していきます。
食の豊富さや場所の魅力を、
大人になってから
再発見しました。
まずは自己紹介をお願いします!
高知県でフリーアナウンサーをしている森木です。テレビ番組のリポーターやラジオパーソナリティも務めています。
大学は宮崎県でしたが、それ以外はずっと高知で暮らしています。若い頃は正直なところ「何もない街」と思っていましたが、大人になるにつれて高知にしかない良さが見えるようになってきました!
食の豊富さはもちろんですが、高知は日本酒も最高です!そして、街には高知の歴史と人々の暮らしの変遷を感じるスポットも点在。今回は、私自身も再発見した高知市の素敵なスポットを紹介していきます。
県営渡船のクルージングは、
たった5分だけどすごく濃密。
県営渡船にはよく乗船されるんですか?
渡船があることは知っていましたけど、乗船したのは子どもが生まれてからなんです。人と自転車、125cc以下の自動二輪車は「無料」なので、子どもとお散歩ついでによく乗っています。普通に暮らしていると船に乗る機会はそんなに多くありませんが、県営渡船のおかげでいつでも気軽にクルージングが楽しめるんです。
わが家のお散歩コースは、県営渡船に乗って長浜地区に行って、干物を買ってブラブラするのがお決まり。乗船しながらいろんな船を見ることができるので、子どもはいつも大喜びですね。お遍路さんが乗っている時もあり、つい話しかけておしゃべりすることもあります。この前はオランダから来たお遍路さんとも遭遇しました!
県営渡船から眺めておくべき景色はありますか?
浦戸湾を隔てて長浜地区の梶ヶ浦渡船場と三里地区の種崎渡船場を結ぶ約600mの距離で、クルージング時間もたった5分ですが、いろんな景色が楽しめます。よさこい節の歌詞にある「御畳瀬(みませ)見せましょ 浦戸を開けて」の風景も実感できますし、市内の街並みや夕日も抜群にキレイです。乗船した時は景色を堪能したいので、座るのがもったいないと思っていますね。
味も“映え”感も申し分ない、
「干魚のやまさき」の干物。
森木さんが「干魚のやまさき」をおすすめする理由は?
「干魚のやまさき」さんは兄弟で営まれていて、弟さんが漁で獲ってきた魚をお兄さんが干魚に仕上げているんです。一匹一匹を手作業で丁寧に作られていますし、漁の状況によっては珍しい魚の干物と出会えることもあります。そんな時は、間違いなく「買い!」ですね。
沖うるめやメヒカリなど絶品の味はもちろんですが、干魚を作っている光景もぜひ見てもらいたいです。魚が美しく並べられ、そこに太陽の光が降り注ぐ光景は、まさに“映え”です。御畳瀬エリアの街並みも相まって、写真好きの方ならさらにテンションが上がると思いますよ。
森木さんはどんな時に干魚を食べたくなるんですか?
やっぱり冬ですね。寒くて天気がカラッとした日は、「今日のはおいしいだろうな。買いに行こう!」ってなります。干魚もきっと干し立てが良いと思うので、買ったものはその日に食べてしまいますね。グリルで焼くと魚が引っ付きやすいので、フライパンにクッキングシートを敷いて焼くのがおすすめ。その方が脂も抜けずにおいしいと、「干魚のやまさき」の山﨑さんに教えてもらいました。
散歩して偶然見つけた
長浜休憩所。
ここは、私のイチオシです!
森木さんが想う長浜休憩所の魅力とは?
近所を散歩していた時に偶然見つけたんです。素敵な建物だと思って眺めていると、お遍路無料接待所という張り紙があったので、思わず入ってしまったのが最初でした。元々は呉服店だったそうで、その名残を感じる家の造りや座敷から見える庭が本当に素敵なんです。
長浜休憩所でのおすすめの過ごし方はありますか?
お遍路さんじゃなくても利用できるので、界隈の散策時にはぜひ利用してもらいたいです。そして、2階を開放している時は、絶対上がってみてください!初めて来た時から「2階は素敵だろうな」と思ってたんですが、実際見てみると想像以上の古き良き華やかさがありました。
立派な梁や欄間があり、当時のままの家具も配されていて、まさに時代を超えた和洋折衷空間なんです。窓から望める景色は長浜の家々ですが、「ここに住んでいた人はどんな気持ちでこの街並みを見ていたのかな」と、ついつい想いを馳せたくなるほどノスタルジックな雰囲気もポイント。ただただのんびりと過ごして、心を落ち着かせる、そんな時間の使い方をこの場所ではおすすめしたいですね。
最近飲むのは酔鯨酒造の
お酒ばかり。
それくらいハマっています。
森木さんが感じる酔鯨酒造のおいしさとは?
元々日本酒が大好きなんですが、酔鯨酒造さんのお酒はとにかく飲みやすいんです。ここ5〜6年でさらにおいしくなったと思っていたら、現在の社長さんに代替わりしたタイミングで、食中酒としてのキレ味にも一段とこだわるようになったと聞きました。
その通りキレ味が本当に良くて、口当たりもスッキリ。ごはんを食べながらでもゴクゴク飲めて、口の中にスーッと入ってくるんです。そして、ふわっと広がる米の風味も楽しめるので、お酒を飲むなら最近は酔鯨酒造さんのものばかり。それくらいハマっていますね。実は私、お酒は飲めても日本酒しかダメなんです。しかも、高知の日本酒しか受けつけなくて…。以前、地方に出張して地酒を飲ませてもらったんですが、全然飲めず、結局高知の日本酒を注文し直したほど。だから、根っからの高知人なのかもしれません。
森木さんの好きな酔鯨酒造のお酒を教えてください!
どれもおいしくておすすめですが、純米吟醸 吟麗は特におすすめです。アルコール度数は16度あるんですが、キレ味良くてスルスル飲めてしまいます。300mlのボトルなら一瞬で飲み干してしまうので、おいしすぎて危険ですね。どんな料理にも合いますが、個人的にはウツボの唐揚げとの相性はピカイチだと思っています。ぜひ、料理とのマリアージュを楽しんでみてください!
見ても食べてもワクワクする、
「かしこ」のおはぎは
高知の自慢です。
森木さんは「かしこ」のどんなところが好きですか?
高知と言えばカツオをはじめとする魚料理がクローズアップされがちで、それは間違いのないことですが、スイーツのイメージはあまりないですよね?でも、「かしこ」さんのおはぎは、高知スイーツと呼んでも過言じゃない逸品なんです。
四万十町の仁井田米を使ったおはぎは、米の粒感を程よく残して仕上げているので食感も良く、満足感の高さがポイント。地元の食材もふんだんに使っていて、40種あるレパートリーから食材の旬に合わせて常時8種くらいが店頭に並んでいます。選ぶ楽しさがあって見た目も可愛いから、来る度に気持ちがワクワクするんです。
森木さんのおすすめのおはぎは何ですか?
常時あるつぶあん(1個129円)ときなこ(1個129円)もおすすめですが、店頭にあると必ず買うのが黒ごま(1個151円)ですね。もち米やあんこにも黒ごまが練り込んであり、表面にもまぶされているので、黒ごま感が本当にすごいんです!他にも季節限定の生姜と金柑(1個216円)はもち米を紅茶で炊き、あんこには生姜を練り込み、コンポートした金柑を乗せるというこだわりぶり。どのおはぎも手間ひまかけて作られているので、全種制覇をおすすめしたいですね。食べる際はぜひ、土佐茶と一緒にどうぞ。高知県は銘茶の産地でもあるんですよ。
長宗我部元親ゆかりの若宮八幡宮で、運試しにもチャレンジ。
どんな時に若宮八幡宮に訪れるんですか?
家族でお出かけして近所を通る時は必ず立ち寄っています。長宗我部元親は土佐国の戦国大名ですが、ちょっと悲しい歴史もあるため、歴史の授業でも深く学ぶことはなかったんです。でも、観光案内所のお手伝いをしていた頃に興味を持ち始め、いろいろ調べるようになっていきました。
すると、もし豊臣秀吉に勝っていたら、もし四国を統一していたらなど、いろんな「もしも」のある人だと分かったんです。ここ若宮八幡宮は、そんな長宗我部元親が初陣戦勝を祈願した社。真っ直ぐ続く美しい参道を見ていると、元親公の儚くもカッコイイ人生に思いを巡らせてしまうんです。そして、厳かな雰囲気と海風が吹く中で佇んでいると、心も落ち着くような気がしますね。
また、若宮八幡宮には槍の名手であった元親公にちなんで、大きな槍に祈願文を書いた輪を投げて通す、「槍通す輪」という願掛けがあります。私はこれまで5回ほどチャレンジしましたが、1回だけしか通りませんでした。毎回心が折れそうになりますが、皆さんもぜひ諦めずにやり通してくださいね。すぐ近くには元親公の銅像もあるので、ぜひ一緒に巡ってもらえれば。何かを掴もうとしているポーズも、元親公らしくて一見の価値はアリだと思います!
高知市はおいしいものも、
深い歴史もあって、
えいところがたくさん!
これから高知県を旅する方々に一言お願いします!
高知にはあったかい人も、おいしいものも、深い歴史もたくさんあるので、みんなで高知のえいところを探しに来てください!