32番 禅師峰寺

第三十二番 八葉山 求聞持院 禅師峰寺(はちようざん ぐもんじいん ぜんじぶじ)

【御詠歌】静かなるわがみなもとの禅師峰寺浮かぶ心は法の早船
【真言】おん、まか、きゃろにきゃ、そわか
峰山の山頂から太平洋をじっと見守るように建つ禅師峰寺は「みねじ・みねんじ・みねでら」などと呼ばれ親しまれる。聖武天皇の勅願により行基が開き、大同2年(807)に弘法大師が土佐湾沖を航行する船の安全を祈願して十一面観音を刻み本尊とし、「船魂(ふなだま)観音」として漁民の信仰を集めてきた。歴代土佐藩主に篤く信仰され、参勤交代の折には航海の無事を祈った。境内には屏風岩など奇岩が多く独特の雰囲気を醸し出している。

■本堂と大師堂

本堂
土佐湾に面して立つ本堂の扉は、開かれていて、中を見ることができる。本堂前には松尾芭蕉の句碑も建立されている。
大師堂
本堂の横に佇む大師堂。
広々とした境内。
順番にゆっくりとお経を唱えていく家族連れやカップルも多い。
本堂の右手にある鐘は誰でも自由につくことができ、深みのある響きで「土佐の音百選」で最高票を獲得したほどで、来れば必ずつくというお遍路も多い。
この鐘は1914年に鋳造され、近隣の集落に時刻を知らせる役目を果たしてきた。鐘楼の後ろには、くぼみに溜まる水の水位が潮の干満に応じて変化する不思議な石がある。
十一面観音像
峰寺にて最初と最後に合うのが、弘法大師が土佐湾沖を航行する船の安全を祈願して刻み開基した十一面観音。その佇まいが美しい。

■チェックポイント

山の上から太平洋をじっと見守るように建つ禅師峰寺
広々とした、南国平野と、その向こうに広がる青い海。
のどかで大らかな眼下の眺めに、疲れも癒される。
記念撮影をするお遍路さんも多い。
DATA
場所:南国市十市3084
TEL:088-865-8430
アクセス:南国ICより車で約30分/はりまや橋から土佐電ドリームバス「後免町」行きで約40分、「峰寺通」下車徒歩約15分
【施設情報】